戻る

涸沢の印象  撮影地 涸沢 撮影日 2015/09/29~30

今年は涸沢の紅葉を見に行くつもりは全くなかった。
ネットから届く涸沢のリアルタイムの状況を見ながら、今年の紅葉は早そうだし
状態もまずまずだなと思いながら届いた写真を眺めていた。
9/27(日)朝の天気予報を見ていて9/30(水)までは天気がいいという予報と、涸沢ヒュッテさんから届いた
今朝のカールの模様を眺めていたら、無性に出かけたくなってしまった。
思い立ったら出かける、そんな自分の境遇に感謝しながら荷造りを始め
9/28(月)の夕方には沢渡に向けてハンドルを握っていた。

紅葉シーズンの涸沢を訪ねるのは今回で5度目(たぶん)。
少し紅葉には早かった年もあるし、終盤だった年もある。
そして絶句するような素晴らしい紅葉に出会えた年もある。
今年はどうかなと思いながらの出発でも、リアルタイムの画像を見る限りではかなりいいことがわかっていた。

さて到着した涸沢。
期待以上の素晴らしさに、これ以上語ることもないだろう。
写真を見ていただいて感じてもらえればそれでいいかな。



到着してすぐに撮影した一枚。
カール全体の様子を広角で撮影。
青空と雲が秋の爽やかな空気を運んでいる。
ピークとは言えないまでもこの色彩と広がりは涸沢ならではのもの。
この光景を見たくてやってきたんだよね。



どこを切り取っても絵になるが、手前に紅葉を入れ
涸沢槍のピークを意識しながら構図を決めるのが定番となっている。



望遠で切り取ってみる。
やっぱり涸沢槍に目が向けられる。
この辺りはピークを迎えている様子だった。



少し雲が出てきて陰影が出来てきた。
こんな情景も味があっていい。



少し雲が下りてきた。
真っ赤ではないオレンジ色のナナカマドの紅葉がとても美しい。
涸沢の紅葉が美しいのはダケカンバの黄色や常緑の緑と岩肌の白などがバランスよく配置されているから。



鮮やかなナナカマドの紅葉を前景に、バックには涸沢槍を入れてというつもりだったが
雲に隠れてしまった。それもまたよしだね。



斜面を彩る紅葉を横から撮影するのが好き。
酔いしれる美しさだ。




カールをぐるっと一周できるコースを歩く人は意外と少ない。
このコースに涸沢の魅力がいっぱい詰まっているというのにもったいないなあ。



来る度に撮影するポイント。
青空があれば文句なしだったが、この質感は陰っていないと出ない。
だからこれもベストの光景。



目にする光景はどこもいい。
同じような場面を何度も何度も撮影してしまうが、撮りたくなるのだからしょうがないよね。




涸沢の紅葉は赤が主役だがここは黄色が主役。
山が入らなくてもスケール感が出るのが素晴らしい。



他の山でこのような紅葉を見たら、これだけでベストの紅葉に思えるのに
涸沢ではどこを見てもベスト。
それだけ素晴らしい光景が随所に展開する。




紅葉を見下ろしなが歩くのもいいが、時々振り返らないと
こんな素晴らしい光景を見逃すことになる。
きょろきょろ見渡しながら歩くのがいい。




もう十分でしょ!と言われそうでも
ワクワクする光景がずっとずっと続くから、満腹になることは決してない。
自然の造形と色彩の美しさ。そして今この場に居合わせている幸福感。
何も言うことはない。




まばらに生えている木々もみんな主役のように華やいでいる。
背景の残雪は解けることもなく、その上に新雪が積もるのももうすぐだ。




涸沢小屋の近くから眺める紅葉も好きなスポット。



翌朝、テントを撤収して下山する前に撮影したカット。
抜けるような空の青さは私の気持ちとリンクしていた。



涸沢に来て楽しみの一つが、朝のモルゲンロート。
晴れた日にしか見られない朝のドラマ。
山肌に日が差してオレンジ色に染まる光景は神々しくもあり
自然の雄大さや生きている喜びを感じ、気持ちが穏やかになる瞬間でもある。



雪解け水による水たまりには山が映るので
それを狙うカメラマンも多い。
この日は冷え込んだため氷が張っていた。
その氷を石を投げて割る馬鹿者が大変多く興ざめしてしまった。
氷が張っていればその状況を楽しめばいい。
水に映る場面を撮影したいなら解けるまで待てばいい。
そんな馬鹿者のそばにはいられないので場所を変えたら、こんな場面に出会った。



水に映らなくてもこの氷がその日の状況を物語っている。
この方がずっと趣のある写真だと自分は思っている。
モルゲンロートと氷という場面はこの日のプレゼントだった。



この日にしか見られないこの光景。ドラマチックだ。
霜も期待したが夜半に風が強く吹いていて霜は降りることはなかった。




この日のプレゼントは氷。
氷の造形とそれとなく山が感じられる場面をと思って撮影してみた。
もう少し待てば解けて山が映ったはずだが、その時にはモルゲンロートは終わっている。
自分が描いているイメージに近づけようとするのではなく、
いま目の前に展開している情景から何を感じるかが大切。
写真とはそういうものだと思っている。




氷の造形その2
少し場面が違うだけで印象も随分変わってくる。
こんな写真も涸沢ならではと思っている。




上の氷の場面を引いてみるとこんな様子。
どんなところで撮影していたかわかってもらえますね。




最後は名残惜しみながら撮影した涸沢の全景。
なかなかこんな条件の整った日に来られないもの。
運がよかったし、思い切って出かけてきて本当に良かったと思っている。

実は涸沢だけでなく、下山時に歩いたパノラマコースの紅葉や景観も素晴らしいものだった。
それは別ページで紹介予定。
涸沢とは違った美しさだった。

inserted by FC2 system