北岳に咲く花　　ミドリハクサンイチゲ／キンポウゲ科　写真　深谷利彦

孚 ハクサンイチゲの萼片が緑色をしているものをミドリハクサンイチゲと言う。 初めて見たのは今から20年も前のことになるが、やはり北岳だった。 キタダケソウの撮影をしている時に気づいた。 その時のものは少し傷みがあって、お世辞にも綺麗な状態ではなかったが、 興味深く観察した。 そして2012年の6月、キタダケソウを見に登った時にミドリハクサンイチゲを探してみようと思った。 以前見た場所周辺を探してみたが見当たらなかった。 じっと目を凝らして見渡していると張られているグリーンロープの向こう10ｍ程先に咲いているのを見つけた。 やっぱりこの辺にはあるんだなあと思ったが、遠くて撮影できなかった。 トラバース道をそのまま行けば北岳山荘に到着するが、この日はロープが張られて通行禁止の札が掛けてあった。 たしか先日までは通行できると確認したはずなのにおかしいなと思ったら、 監視員の人がやってきて、先日滑落者が出たのでしばらく通行止めにしたんだと教えてくれた。 何年か前に少し怖い思いをして急斜面の雪渓をトラバースしたことが思い出された。 一つ間違えると大変なことになる。 宿泊予定の北岳山荘にそのまま行きたかったが通行禁止では致し方ない。 やむなく山頂直下を登り返して北岳山荘に向かった。 そしてその途中で見つけたのが写真のミドリハクサンイチゲだ。 遠回りした結果のご褒美のようでうれしかった。 2012/06/30　Canon5DⅡ　SIGMA70㎜マクロF2.8 2012/06/30　Canon5DⅡ　SIGMA70㎜マクロF2.8