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伊吹のセツブンソウを撮る 写真 深谷利彦 Toshihiko Fukaya
セツブンソウ/キンポウゲ科 


 昨年7月にPCがクラッシュして以来の更新です。HPをやめてブログに変更するつもりでやってきましたが、これまで作ってきたページを振り返ってみると、捨てがたいものもありまして復活させようと思い立ちました。これからも以前同様にお付き合いいただければと思います。
 さて久しぶりの更新は撮影シリーズからで伊吹のセツブンソウを題材にカメラアングルや画角について考えてみたいと思います。



撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 SIGMA 50㎜マクロF2.8 f5.6 絞り優先モード ISO200 露出補正-1.0

カメラアングルにはカメラの位置やどの範囲まで写すかということが大きなポイントとなります。
見たまま感じたまま撮ればいいといつも言っていますが
どう見せるとセツブンソウの生き生きとした表情を見せられるかということも
念頭に置いて撮影する必要があります。

花の撮影の基本は花と同じ目線で撮影するといいということです。
セツブンソウの花の咲いている位置が地表から10㎝のところであれば
カメラも10㎝の高さから撮影すると
花も浮き上がり花茎にもピントが合って
生き生きとした表情が見えてきます。
もちろんすべて花の目線アングルで撮るといいというわけではなく
ケースバイケースです。
でも基本的に花の目線で撮影すると生き生きとした表情になることを知っておくと
いいですね。
後は絞りです。
花を浮き上がらせるためには絞り込んでしまうと背景がうるさくごちゃごちゃした印象になります。
また解放絞りで撮影すると
背景はボケて花が浮き上がりますが
臨場感が感じられなくなることも出てきます。
レンズの焦点距離によってもいろいろと変わってきますので
その辺は自分で試してみてお気に入りの絞りを把握するといいですね。

上の写真では50㎜マクロレンズで絞りf5.6で撮影しています。
花だけのクローズアップで印象的に撮影しようと思ったら
90㎜マクロレンズを使用したことでしょう。
この辺が難しいところですが
どんなイメージで撮影したいのか、それをはっきりさせることによって
レンズワークも決まってきます。

上の場面を同じ画角で絞りf8で撮影すれば
もう少し背景の林の様子が見えてきます。
これも好みの問題ですので、いろいろと試してみて
自分が気に入る絞り値を確認しておきましょう。


では次は同じ場面を広角で撮影したものです。

撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 NIKKOR16-35㎜ F4 f5.6 絞り優先モード ISO200 焦点距離32㎜ 露出補正-1.0

被写体が同じですが広角レンズで撮影しました。
理由は背景の状況をもう少し見せてみたかったからなんですね。
でもセツブンソウの花のイメージは50㎜マクロと同じような印象で写しこみたかったので
絞りは50㎜マクロと同じf5.6です。
もちろん同じ絞り値であってもレンズの焦点距離が違うので同じように
写るわけではないことはお分かりですね。
この辺も経験かもしれません。
縦位置で撮影したのも訳があって、横だと背景が多く入って花のインパクトが薄れてしまうからなんです。
あくまでも主役はセツブンソウなので
その印象を損なわないように撮ってみました。
焦点距離32㎜で撮っていますのでかなり接近した撮影です。

ただ大きな違いになっていないのは意図して撮っているからです。


それでは次は画角の違いによる印象です。

撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 NIKKOR16-35㎜ F4 f16 絞り優先モード ISO200 焦点距離30㎜ 露出補正-0.3

広角レンズでの撮影ですが焦点距離30㎜でかなり接近して撮影しています。
後の木が見えるところまでで切り取りました。


では少し引いてもう少し周りの様子が分かる写真です。

撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 NIKKOR16-35㎜ F4 f8 絞り優先モード ISO200 焦点距離20㎜ 露出補正-0.3

背後の山まで分かるように撮影してみました。
同じ場面を切り取っても随分印象が違いますね。
最初のはセツブンソウの花に自ずから目線が行って
セツブンソウの躍動する様子が迫ってきます。

一方2枚目は周りの状況が見えることによって
目線はセツブンソウだけでなく全体に注がれ雰囲気を感じる写真になっているのではと思います。
焦点距離は20㎜です。

ここで絞りに注目してほしいのですが
最初のは絞りf16、2枚目は絞りf8です。
これは同じようなボケにするために変えました。
2枚目もf16で撮影すると後のセツブンソウがもっとはっきり写ってきます。
焦点距離によってボケ方が違うことを知っていると意図した写真が撮れるので
これも試してみて下さい。
いいとか悪いとかではなく自分の好みを知りレンズと絞りの関係を覚えてしまうと
最初から自分のイメージした写真が撮れると思います。

次は同じ被写体でもレンズや画角による印象の違いです。

撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 SIGMA 50㎜マクロF2.8 f5.6 絞り優先モード ISO200 露出補正+0.3

これは逆光に浮かび上がるセツブンソウを50㎜マクロで接写し
見た印象をそのまま出してみようと思った写真です。



そして次が望遠レンズで切り取ったもの

撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 f5.6 絞り優先モード ISO200 焦点距離 200㎜ 露出補正-2/3

同じ被写体でも随分印象が変わりますね。
花の輝きが印象的で花をクローズアップしたいときは最初のような撮り方で
そしてスポット光のように入る光とその場の雰囲気を出すには
2枚目のような撮り方もありです。

これも好き好きですがこんな風にして
いろんな撮り方をしてみると写真が一層楽しくなりますね。


この後は撮影してきた写真をずらっと並べておきますので
楽しんでください。


撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 NIKKOR16-35㎜ F4 f16 絞り優先モード ISO640 焦点距離25㎜ 露出補正-1.0




撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 SIGMA 50㎜マクロF2.8 f5.6 絞り優先モード ISO200 露出補正-0.3



撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 NIKKOR16-35㎜ F4 f5.6 絞り優先モード ISO200 焦点距離24㎜ 露出補正-0.3



撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 NIKKOR16-35㎜ F4 f14 絞り優先モード ISO200 焦点距離16㎜ 露出補正-0.3



撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 NIKKOR16-35㎜ F4 f16 絞り優先モード ISO200 焦点距離35㎜ 露出補正-0.3




撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 NikonD810 NIKKOR16-35㎜ F4 f14 絞り優先モード ISO200 焦点距離27㎜ 露出補正-0.3




撮影地 滋賀県 2018/03/11撮影 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 f5.6 絞り優先モード ISO200 焦点距離 200㎜ 露出補正-2/3



花はややピークを過ぎていたので、接写を楽しむというよりは
全体の雰囲気を楽しむつもりで撮影してきました。

久しぶりのページ作成でした。
これからもお付き合いくださいませ。

深谷


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