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ミカワマツムシソウの魅力を撮る 写真 深谷利彦 Toshihiko Fukaya
ミカワマツムシソウ/マツムシソウ科 

  ミカワマツムシソウというマツムシソウの変種がありますが、印象的にはマツムシソウの栄養失調状態のような極めて華奢な姿をしています。しかも花は1~2㎝と小さく枝分かれした先に一つずつ花を付けるのでどうにもこうにも撮影しにくい野草です。美しいというより珍しさが先に立ってとりあえず貴重な野草を撮っておこうと撮影することが多いような気がします。
 そんなミカワマツムシソウの花が最も美しくなるのが雄しべの葯が綺麗に出そろっている時。私は好んでその様子をマクロレンズで接写していますが、写真としては単なるクローズアップ写真ということでやや魅力に欠けるきらいがあります。それでも毎年花が咲く頃に訪れては接写を繰り返し得られた結論は、接写は花の上から撮るのではなく横から茎を入れて撮るのがいいということ。できれば少し下から見上げるように撮ると生き生きとした表情と葯が浮き立ちます。
 もちろん綺麗な花を探すことが大きなポイントですが、こんな撮り方をするとミカワマツムシソウの美しさを引き出せるような気がします。もちろんこれは私の見解ですので感じ方は人によって違うかもしれませんね。
 もう一つの課題は全体像をどう撮るか、これも非常に難しい問題です。花はまばらで魅力的な株立ちをするものはほとんどありません。だから接写に逃げてしまうということかもしれませんね。しかしそれでも敢えて全体像をそれなりに魅力的に撮れないものかとチャレンジするのが野草の写真を志すものの性かもしれません(笑)。
 全体像を上手く撮影するためのテクニックはなく、ただひたすらにいい被写体を探すしかないというのが私の結論。しいて言えば背景をぼかして全体が浮き出るアングルを探すことかなと思います。




撮影地 新城市 2018/10/16撮影 NikonD810 TAMRON SP90㎜マクロ F2.8
この写真で気づいたのは萼片の緑が入ることによって
画面が締まることでしょうか。





撮影地 新城市 2018/10/16撮影 NikonD810 TAMRON SP90㎜マクロ F2.8





撮影地 新城市 2018/10/16撮影 NikonD810 TAMRON SP90㎜マクロ F2.8





撮影地 新城市 2018/10/16撮影 NikonD810 TAMRON SP90㎜マクロ F2.8





撮影地 新城市 2018/10/16撮影 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4
全体を撮る時は背景がボケる望遠系のレンズがいいですね。




撮影地 新城市 2018/10/16撮影 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4
これでも花付きのいい方です。
葉も細くとにかくまとめにくい花です。

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