ムラサキセンブリの魅力を撮る 写真 深谷利彦 Toshihiko Fukaya
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ムラサキセンブリ/リンドウ科
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撮影地 新城市 2019/11/02撮影 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 f5.6 絞り優先モード マニュアル ISO200 焦点距離200㎜ 露出補正 -1/3
ムラサキセンブリはびっしりと花をつけるものも多く、それはそれでゴージャスで魅力的なのですが 写真にするとただいっぱい咲いているというだけの写真になりがちです。 証拠写真にはなっても魅力を表現する写真にはなりにくいですね。 で私が魅力を感じているのは蕾の多く残るもの。 花だけでなく蕾にも美しさを感じているので、その両方が狙える場面を探します。 どうしても花のよく咲いている株を狙いがちなのですが フォトジェニックな場面は意外と少ないものです。 むしろまばらに咲く花と蕾に焦点を当てるとすっきりとした画面構成と どこに魅力を感じているのかはっきり見せることができるように思います。 もちろんその為には花と蕾を浮き上がらせる背景とレンズワークが必要になります。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 NikonD810 TAMRON SP90㎜マクロ F2.8 f5.6 絞り優先モード マニュアル ISO200 露出補正 -0.3
これは素直に花の魅力を90㎜マクロで接写したものです。 少しピーク過ぎの花でしたので花の勢いが足りないのですが 真ん中の花に焦点を合わせて撮影してみました。 このような画面構成では2輪の花にピントを合わせるのが鉄則ですが 下の花の状態がイマイチでしたので真ん中だけにしてあります。 ピントは雄しべの葯と花柱の先端に合わせることと、花冠の紫の筋にも合わせることが必要です。 でもこの写真はピントが甘いですね。 花を接写する時の大事なポイントとなるので覚えておくといいかもしれません。 もう一つ付け加えておくと背景でボケる葉や花茎のバランスも配慮しましょう。 接写をする時にはどうしても花だけに意識が向きますが ともすると花だけが浮いてしまう写真になりがちです。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 f5.6 絞り優先モード マニュアル ISO400 焦点距離200㎜ 露出補正 -2/3 これはムラサキセンブリの花を正面からそのまま写したもの。 ピントの合う花が多いので素直に切り取るのも植物写真としては大切です。 奇をてらった写真より花の魅力をそのまま伝えられます。 但しこの花はピーク過ぎなのでちょっと残念ですが。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 NikonD810 NIKKOR VR16-35㎜ F4 f8 絞り優先モード オート ISO400 焦点距離35㎜ 露出補正 -1.0 もう一つ素直に上から切り取ったものです。 花がよく咲いているのでその様子を切り取るには少しピントを深めにするといいですね。 その為に広角レンズで撮影しています。 焦点距離35㎜ですので見た目の印象に近い写真でしょうか。 16㎜では生態系を写す写真になりがちなので 35㎜で花の群れている様子を出そうと思って撮影しました。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 f4.5 絞り優先モード マニュアル ISO200 焦点距離70㎜ 露出補正 -2/3 ここから3枚は咲いている環境を見せる写真です。 どんなレンズを使っても可能ですが状況に応じてレンズの使い分けをします。 遠くに山があってそれを背景に入れたい場合は望遠系レンズで。 近くの周囲の様子を見せるには広角レンズを使います。 上の写真は遠景の山を入れたかったので望遠系で撮影。 焦点距離は70㎜ですので大した望遠ではありませんが ズーミングしながら気に入った画面構成のところで切り取ります。 もちろん被写体(ムラサキセンブリ)との位置関係によって変わってくるので その時の状況に応じた判断が必要となります。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 NikonD810 NIKKOR VR16-35㎜ F4 f11 絞り優先モード オート ISO200 焦点距離16㎜ 露出補正 -0.3 こちらは広角レンズでの撮影。 花と背景のバランスが難しいところですが 主役がムラサキセンブリなのであまり小さくならないように画面構成したいところです。 雲の上部にうっすらと青空が見えていますが もっときれいな青空が展開していたら良かったですね。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 f5.6 絞り優先モード マニュアル ISO200 焦点距離127㎜ 露出補正 -1/3 上の広角レンズの写真と同じ場所で 望遠レンズでも撮影してみました。 背景の岩がより大きく迫ってきています。 花を見る角度が全く違うことが分かりますね。 これがカメラ目線の違いです。 自分がどんな状況を切り取りたいのか その時に見えてくるものの中から選択するといいですね。 そのためにはレンズワークによる描写の違いを知っておく必要があります。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 f5.6 絞り優先モード マニュアル ISO200 焦点距離200㎜ 露出補正 -2/3 これは光のマジックによって見えてきた場面。 ムラサキセンブリの花の魅力であっても その時の状況が作り出してくれた魅力です。 散策の楽しみはこんなところにあります。 自分がイメージしているものではなく出会いによる魅力。 むしろこれが最も大きな魅力なのかもしれません。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 NikonD810 TAMRON SP90㎜マクロ F2.8 f5.6 絞り優先モード マニュアル ISO200 露出補正 -0.3 冒頭にも書きましたが私は蕾に大きな魅力というか 美しさを感じています。 これから花を咲かそうとするムラサキセンブリの生き生きとした エネルギーを感じるからかもしれません。 だから花の撮影と同じくらい蕾のある様子を撮影しています。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 f4 絞り優先モード マニュアル ISO200 焦点距離192㎜ 露出補正 -1.0 少し白っぽいムラサキセンブリ。 背景の中で浮かび上がらせようと開放絞りで撮影。 もし満開に咲いていたら狙わなかったかもしれません。 蕾だからこそ撮りたくなる場面でした。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 NikonD810 TAMRON SP90㎜マクロ F2.8 f5.6 絞り優先モード マニュアル ISO200 露出補正 -0.3 花の美しさと蕾が一緒に撮れれば最高ですが なかなか理想的な場面には出会えないものです。 それでも出会いの中から気に入った場面を見つけては カメラを向けて被写体と向き合う。 それが楽しみで毎年毎年出かけていきます。 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 NikonD810 TAMRON SP90㎜マクロ F2.8 f5.6 絞り優先モード マニュアル ISO200 露出補正 -0.3 撮影地 新城市 2019/11/02撮影 NikonD810 TAMRON SP90㎜マクロ F2.8 f5.6 絞り優先モード マニュアル ISO200 露出補正 -0.3 最期は雄しべの葯にピントを合わせた超接写。 あまり積極的に撮影するスタイルではありませんが この時は葯の新鮮さに惹かれてクローズアップしてみました。 魅力とはイメージで作り上げるものではなく その時感じるもの。 ムラサキセンブリの魅力の感じ方も人それぞれですが 私の感じるムラサキセンブリの魅力が伝われば幸いです。 深谷 |