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南アルプスの山は懐が深くて雄大な山容を誇る山が多い。懐が深い分、一泊二日では登れない山が多いのが悩みの種。山を始めた頃からいつかは登ってみたいと思っていた山が千枚岳、荒川岳、明石岳を巡るコース。一般的には三泊四日の行程だ。なかなかその日程では休暇の取得が難しいので、二泊三日の行程で計画を立てた。
念願の山々は想像以上にハードでかなりきつい山行となったが、随所で素晴らしいお花畑に出会い、私の心を満たすのに十分な山登りとなった。その中で是非見たいと思っていたのが荒川前岳のお花畑。雑誌でもよく紹介されている南アルプス最大のお花畑だ。状況はご覧のとおり、シナノキンバイとハクサンイチゲがこれでもかと言うほど大群生していた。しかも正に今がピークというベストのタイミングに興奮したのは言うまでもない。
ただ一つだけ残念なことはこのお花畑が鹿柵で囲われていたこと。保護しないと絶えてしまうほど、今南アルプスは鹿の食害に悩まされている。すでに消滅してしまったお花畑も少なくない。保護柵を設けることによってかろうじてお花畑を守っているというのが現状だ。すでに手遅れのところも出てきているので対策は早急になされなければならない。柵がない方がいいことはわかっていてもこれが現実である。
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