大輪の花を咲かせるキヌガサソウ。こんな表現をしてみたくなるキヌガサソウだが実際の花の大きさは6~7㎝程。大きな花には違いないが驚くほどの大きさではない。大輪の花に見せるのは輪生する大きな葉。直径50㎝にもなる。湿り気のある林床に生えていることが多く、山登りの途中に忽然と現れることが多い。驚きと感動が同時に巡ってくる高山植物だ。撮影した場所も突然目の前に現れた。感動したのはもちろんだが、咲いている景観が良かった。バランスよく並んだキヌガサソウの爽やかな花と雪国を象徴する幹の曲がった樹木の表情に酔いしれた。
キヌガサソウの花に出会ったらぜひ確認してほしいことがある。それは花弁の数と葉の数。数えてみると一致しているはずだ。どの株を見ても整って見えるのは花と葉のバランスにあるのかもしれない。
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