白馬岳に登るのに一番素敵な時期はいつですかと聞かれたら、私は7月上旬と答える。それは北岳でも同じだ。山の稜線が最初に彩られる季節で、雪解けしたところから高山植物が咲き始める。その主役がミヤマキンバイやオヤマノエンドウなどだ。白馬岳ではツクモグサが終盤を迎えウルップソウが最盛期を迎える頃でイワウメやチシマアマナやイワベンケイ等も混じって賑やかなお花畑となる。夏山最盛期のハクサンイチゲやミヤマキンポウゲ、タカネシオガマなどのお花畑も素晴らしいが、個人的には7月上旬のお花畑の方が爽やかで好きだ。特にミヤマキンバイの神々しいまでの色彩はバックに聳える残雪の山々と絶妙にマッチする。
写真は白馬大池から白馬岳に向かう途中に撮影したものだが、稜線の両脇にミヤマキンバイの黄色が帯となって、まるで道案内をするかのように咲いていた。しかも出会う人もほとんどなく、山の景観とお花畑を独り占めしているかのような状況だった。
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