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高山植物の咲く風景 写真 深谷利彦 Toshihiko Fukaya
オンタデ Polygonum weyrichii var. alpinumタデ科 撮影地 北岳 2009/08/09撮影 NikonD300 SIGMA17-70㎜

  オンタデは高山帯の砂礫地や崩壊地などに生える大きな高山植物。中部以北の高山帯ならほとんどどこでも見られる。ところが図鑑の解説を読んでいたら、興味深いことが書いてあった。オンタデの本種はウラジロタデ(葉の裏が白く毛深い)だが、棲み分けがあるようで、中央アルプスや南アルプスではオンタデしかなく、白馬岳ではウラジロタデしかないという。白馬岳にも当然あるものと思っていたが違うようだ。そしてどちらも見られるのが立山や針ノ木岳らしい。つまりウラジロタデは分布が少ないということのようだ。
 タデ科のオンタデはスイバを連想する佇まいをしている。雌雄異株である。地味な花だが受粉するとオレンジ色に変化してくる。受粉前の淡いクリーム色の時より、受粉した後のオレンジ色に変化してきた時の方が、美しく見える(私は)。そんな頃に出会うオンタデが私は好きだ。写真は北岳で撮影したもの。ヨツバシオガマが程よいアクセントとなってフォトジェニックな場面だった。
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