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高山植物の中にも目立つ花とそうでない花がある。カラフルな花もあれば地味な花もある。それぞれが高山という厳しい環境の中で自分の住処を見つけて生きるすべを培ってきた。それだけに見る花全てが愛おしい。どちらかと言えば地味なウメハタザオは山登りが好きな人でも知らない人が多い。とくに珍しい高山植物でもないが、じっと観察している人はあまり見かけない。見た目の印象がぱっとしないのが人気のなさに繋がっているのだろう。では私自身はどうかというと、やはり他の華やかな高山植物と比べると思い入れが少ないのは否めない。感覚的にどう受け止めるかということなので、それがいいとも悪いとも言えないことだと思っている。写真を整理していてこの写真がふと目に留まったのは、背景の山々の姿にあったのかもしれない。残雪を頂いた山々の姿が高山植物らしさを一層引き出してくれていて、いい感じに見えたからだ。ウメハタザオの撮影はアップで撮影するより、こんな風に山の風景を取り入れた方が絵になるようだ。身近なタネツケバナを思わせるような花だが、山の稜線に咲くウメハタザオは格別な花の一つである。
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