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魅惑の高山植物 写真 深谷利彦 Toshihiko Fukaya
シナノキンバイ/キンポウゲ科 撮影地 北岳 2016/07/03撮影


撮影地 北岳 2016/07/03 NikonD810 NIKKOR VR16-35㎜ F4

  20年以上前の北岳の様子を知るものとしては、今の北岳の花の減少に驚きを隠せない。最も印象深いお花畑がシナノキンバイで、右股コースから登っても、草すべりコースから登っても一面を黄色く染める大規模なお花畑が展開していた。今では鹿に食べつくされて、裸地化したり鹿の食べないバイケイソウやマルバダケブキだけが蔓延る一種異様な光景が見られるのは残念としか言いようがない。一部鹿除けネットを張って保護されているが時すでに遅しという感が否めない。シナノキンバイだけでなく広河原から大樺沢二股に至るルートでも様々な花の減少が急速に進んでいる。今回登ってみた印象ではかつての1/10になってしまった感じだ。このまま行くと花の名山はどうなってしまうんだろうと不安でたまらない。
 それでも標高の高い3000m近くではまだまだ昔と同じように花が咲き乱れる場所も残っている。それが今回の写真。これだけを見れば北岳の花は凄いということになるが、現実はそうではないことを知ってほしい。
 下にミヤマバイケイソウだけが残る様子をお見せするが、この場所は右股コースのハイライトだった場所である。
本来ならシナノキンバイを賛辞するコメントを書くはずだったが、北岳の現状を知ってほしくてこんなコメントになってしまった。


撮影地 北岳 2016/07/03 NikonD810 NIKKOR VR16-35㎜ F4



撮影地 北岳 2016/07/03 NikonD810 NIKKOR VR16-35㎜ F4



撮影地 北岳 2016/07/03 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4



撮影地 北岳 2016/07/04 NikonD810 NIKKOR VR16-35㎜ F4
鹿に食べつくされて毒のあるミヤマバイケイソウだけが残っている。
この少し上部ではマルバダケブキだけが繁殖している場所もある。
どちらも毒があるため鹿が食べない植物だ。


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