霜は芸術家　写真　深谷利彦　Toshihiko　Fukaya

霜の撮影をするようになってから、花が終わった後の様子を意識的に観察するようになった。花だけに注目していた頃は、花が終わってしまえばそれまでで、その後の様子に関心は全くなかった。ところが霜の撮影をするようになってから、枯れていく様子や葉の展開なども気になるようになってきた。霜の降りた葉を見てこの植物はなんだろうと知りたくなって調べてみることも多くなった。そんな風に観察をしていると春を待つ植物たちの営みが愛おしく思えるようになってきた。 　霜の降りた葉を観察していると、同じように見える葉も色彩が色々で変化に富んでいることも学んだ。特に冬枯れが進行していく時には様々な色が存在する。一番最初の写真にはオヘビイチゴの葉がいろんな色に変化していることが見てとれる。そこに真っ白な霜が縁取るように付くと、その色が強調される。これが霜の醍醐味でもある。なんとなく霜を見るだけでも綺麗に見えるが、そんなちょっとした変化を気にしたり探したりして観察してみるとさらに感動が大きくなる。 　霜から学ぶものは想像以上に大きい。

撮影地　新城市　2014/12/03撮影　Canon5DⅡ　SIGMA70㎜マクロF2.8



撮影地　新城市　2014/12/03撮影　Canon5DⅡ　SIGMA70㎜マクロF2.8