霜は芸術家　写真　深谷利彦　Toshihiko　Fukaya

撮影地　岡崎市　2014/1/5撮影　Canon5DⅡ　SIGMA70㎜マクロF2.8

霜の撮影にのめり込むようになったきっかけの野草がヤエムグラ。冬の間、ヤエムグラの輪生する葉はぎゅっと詰まっていて、雪の結晶を見るような均整の取れたデザイン的な形をしている。そこに霜が降りると葉の輪郭に沿って白く縁取りされ、葉の表面には均等にパウダーをまぶしたように白くなる。その美しさは感動的ですらある。 　霜の降りた朝、おもむろに自宅周辺の田舎道を散策してみると、どこかでヤエムグラが私の到着を待っている。身近な野草で、どこにでも生えてくる厄介者扱いされるヤエムグラも、冬の間はこんな風にして人の目を楽しませてくれる愛すべき野草となる。どんな野草も見る角度を変えるとヤエムグラのようにいい面が見えてくるのかもしれない。とかく野草は花の時期だけに注目されがちだが、花の時期には全く見向きもされないようなヤエムグラが、冬にはときめきの野草に変身していることが面白い。

撮影地　半田市　2012/2/4　Canon5DⅡ　Canon　EF17-40㎜F4


撮影地　岡崎市　2014/1/3　Canon5DⅡ　SIGMA70㎜マクロF2.8


撮影地　碧南市　2009/12/30　NikonD300　SIGMA17-70㎜