霜は芸術家　写真　深谷利彦　Toshihiko　Fukaya

春に河原が黄色く染まる光景はお馴染みだが、そのほとんどはセイヨウカラシナ。よく似たセイヨウアブラナは最近めっきり少なくなった。どちらも春の風景には欠かせない存在で、桜の花との競演は理屈抜きに美しい。 　霜の撮影をしていたらこんな光景が目に入った。セイヨウカラシナだ。霜の撮影ではあまり積極的に撮影していなかったが、この日のものは別物だった。葉の色に変化が見られたからだ。単色の緑だけでもそれなりに霜の表情はいいが、赤茶けた色や黒ずんだ色が混じると白い霜にとてもよく映える。こんな光景に出会うとなんだか得をしたような気持ちになって、ちゃんと撮ってあげなきゃという気持ちになる。 　最近は三脚をセットして撮影することが少なくなってきたが、このセイヨウカラシナの前では襟を正して撮影したくなってしっかりと三脚を立てて撮影した。

撮影地　高浜市　2010/03/28　NikonD300　SIGMA17-70㎜