霜は芸術家　写真　深谷利彦　Toshihiko　Fukaya

野の花が好きで野草を撮影していてもヨモギは撮影対象から外れていることが多い。秋に咲く花も地味だし、これといって撮影したくなる場面もほとんどない。ヨモギのイメージはお灸に使うもぐさであったり、草餅の材料というイメージが強く、さらに個人的には春先の若葉を摘んで天ぷらで食べると美味しいというイメージだろうか。 　しかし冬の間だけは枯草の様子や霜が降りた時に撮影対象となっている。冬は撮影すべき対象の被写体が少ないということもあるが、実際に霜の降りた朝に観察してみると、とても美しい。葉の造形の面白さもあるし、紅葉と言うか葉の色が変化してくる様子もなかなかいい。そんな訳で冬には必ずどこかでヨモギを撮影している。

撮影地　安城市　2009/12/29撮影　NikonD300　SIGMA50㎜マクロF2.8