身近な野草の一つにセリがある。水田や溝などに普通に生え、春の七草にも入っている美味しい野草でもある。ところが私の自宅周辺ではあまり見かけなくなってしまった。以前は田んぼの縁の水たまりや溝のようなところを覗けば大抵生えているのを確認できたのに、今ではほとんど見かけなくなってしまった。理由はセリが生える環境が奪われてしまったことによる。つまり水たまりや溝がなくなってしまったからだ。田んぼに水を引く用水も人工的な作りになって秋になれば水は入ってこない。小川は全て壊され主要な川だけがコンクリートに固められて魚の住めないどぶ川に変えられた。そしてメダカもいなくなった。人間の都合が生物の多様性を奪い環境を一変させた。そもそも生命というものは共存することによって成り立っている。このまま書き続けると終わらないのでこの辺にしておこう。
さて自宅周辺では久しぶりに見つけたセリ。ほんの一角だけに生えていたものだが、生えるとご覧のようにびっしりとはびこる。競り合うようにして生えることからセリと言われるようになったと聞くがなるほどなと頷ける。毎年毎年霜の撮影を飽きるほどしていてもセリを撮影する機会がほとんどないのは残念なこと。写真はこの冬初めて出会ったセリの霜模様。久しぶり過ぎて最初はセリだと思わなかったほどだ。
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