セツブンソウを楽しむ/キンポウゲ科 撮影地 いなべ市 撮影日 2017/02/28
|
||
このページは撮影シリーズのページではありませんが
写真を並べていたら撮影シリーズのようなコメントを書いてみたくなりました。 まあ細かい撮り方の解説ではなく楽しみながらどんな風に撮影したかを書いてみたいと思います。 場所は三重県いなべ市、藤原岳の麓です。 撮影した時間は午後2時半~3時頃。 日が傾き始めてきた頃になります。 セツブンソウを撮る時、いつも撮りたいなあと思っているアングルは セツブンソウの花の目線から撮って背景がボケるアングルなんですね。 できれば背景に林があるとか、枯葉の中から立ち上がるような場所で 臨場感の出せる場所が理想的なのですが、 いつも理想の場所で撮影できるわけではありません。 むしろそれとは違う環境や状況の中で撮影することの方が圧倒的に多いわけです。 ところが自分のこんな場面がいいなという概念を持ち運ぶと、 せっかく咲いているセツブンソウの良さが見えてこなくなるものです。 だからどんな野草でもそうですが、初めての場所で初めての花を見る気持ちで接することが大切なんです。 そうすると咲いている花が生き生きとして 私のために咲いてくれているように見えてきます。 輝いて見えてきます。 本当は最初から輝いているんですが、 自分のフィルターがその輝きを覆ってしまうことがあるということなんですね。 つまり撮影する前の心掛けが大切ということでしょうか。 写真はシャッターを押せばそれなりに写ります。 特に今のデジタルカメラはびっくりするほど綺麗に撮れます。 しかし何を撮るか、どんな場面を撮るかはカメラが決める訳ではありません。 自分の心が決める訳ですよね。 写真は何を撮るかによって良し悪しが決まってくる訳なので 気持ちに大きく左右されるものだと思っています。 こういう話をしだすと止まらなくなってしまいます。 では本題というか、セツブンソウを楽しむことに戻しましょう。 2017/02/28 NikonD810 TAMRON SP90㎜マクロ F2.8 f5.6 以下3枚の写真は同じモデルをレンズを替えカメラを替えて撮影したものです。 この場面を見た時最初に撮りたいと思ったアングルとレンズがこれになります。 自分がイメージした映像が90㎜マクロレンズの描写に合致していると判断しました。 大体イメージ通りの写真になりました。 50㎜マクロではこのセツブンソウの大きさからだと背景がもう少しうるさくなります。 まず最初に浮かんできた映像を撮影できたら 次は別の撮り方もしてみたくなります。 でもこれはモデルがいい場合に限ります。 何でもかんでも違った撮り方をすればいいという訳ではありませんからね。 2017/02/28 NikonD810 NIKKOR VR16-35㎜ F4 f4 これは広角レンズで撮影しましたが、画角は30㎜付近での撮影です。 広角の良さは広い範囲を写すことができ、ピントを奥まで合わせられることなんですが、 この場面では敢えて絞りを開放のf4で撮影して背景をボカしています。 理由はあまり背景を見せたくなかったからなんですね。 と言うのは少しごちゃごちゃしていて綺麗な背景にならなかった.から。 じゃあ無理やり広角で撮影することもないんじゃないのということになりますが その通りかもしれません.。 でもこれが遊びであり楽しむことになるんですね。 最初にイメージしたものとは違う撮り方をしてみると やっぱりこれはダメだなと思うこともあるし、こんな風に撮ってみるのも面白いという場合も出てきます。 その積み重ねによって、一つの被写体に接した時に いろんな映像が見えてくるようにもなります。 2017/02/28 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 そしてこれはカメラをCanonに替えて望遠ズームで撮影したものです。 画面の中に同じ大きさ位にセツブンソウを配置しても 雰囲気がガラッと変わります。 ここが写真の面白いところでもあります。 望遠レンズだけあってふわっとした柔らかい描写になりました。 いいモデルと言うか被写体に出会った時は こんな風にしていろいろとレンズやカメラを替えて いつもとは違った撮り方をしてみるのも面白いものです。 レンズ一本だけだとここまでは楽しめないと思います。 2017/02/28 NikonD810 NIKKOR VR16-35㎜ F4 実はこの場所毎年観察しているのですが、今年は花数も少なく 例年と比べると半分以下でした。 しかも枯草や落ちた枯れ枝などで埋まっている個所もあって 少々残念な思いをしました。 今までの状況を知っているとこんな思いになります。 では初めてこの場所を訪れて初めてセツブンソウを見たとしたらどうでしょう? きっと感動して舞い上がるに違いありません。 自分の概念やイメージというのは過去や経験を持ち運ぶことから生まれます。 でも実際に目の前に展開されているセツブンソウの光景というのは いいも悪いもなく、ただありのままに咲いている光景にすぎません。 それをあれこれ勝手に解釈するわけです。 そのために本来のありのままの姿が見えなくてゆがんで見えてしまうんですね。 そうするとせっかく生き生きと美しく咲いている花に対して 不満が生じます。 結果、いい写真が撮れないということにつながっていきます。 私が言わんとすることはわかってもらえますよね。 以前は私もその傾向が非常に強かったものです。 もちろん今でも残念な思いや複雑な感情も沸いてきますが、 すぐに消えるようになりました。 この場所も最初は今年は良くないなという思いが沸きましたが すぐに夢中で撮影している自分がいました。 夢中で撮影撮影しているということは楽しんでるんですね。 上の写真は広角で背景も入れて撮影しましたが 撮ってみたいイメージ通りに撮れました。 去年までは土手の上に小低木がごちゃごちゃ生えていて背景が抜けていなかったのですが 今年はこんな写真が撮れたと喜んでいます。 2017/02/28 NikonD810 NIKKOR VR16-35㎜ F4 撮影は横で撮ったり縦で撮ったり、さすがに斜めに撮ったことはありませんが。 横で撮れば広がりが感じられるし、縦で撮れば奥行きが生まれます。 いろんなアングルで撮影してみるのも楽しいものです。 2017/02/28 NikonD810 SIGMA 50㎜マクロ F2.8 セツブンソウの花を撮る時、やっぱり綺麗な花を探しますよね。 できればいくつも咲いていて蕊の綺麗なものがいいし バランスよく咲いていてほしいと欲張りな欲求もでてきます。 でも咲いているのは目の前にある花だけなので その中から選択をすることになります。 そしてこれがいいという花が目に入ってきます。 そうするともう視線は見つけたセツブンソウにくぎ付けになります。 ここまでの行為が楽しいんですね。 そしてファインダーを覗いて撮影を始めるとさらに楽しさが膨らんできます。 この場面は中央の綺麗なセツブンソウですね。 並びもいいし背景にも咲いていることが分るのもいいし バックの木に当たった光の感じもいいなあと思って撮影しました。 2017/02/28 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 これは群生している様子をそのまま切り取ったものです。 この場合いろんな撮り方がありますが これは望遠レンズで中央だけにピントを合わせて前後はボケるように撮影してみました。 これが一番いいわけではありませんが この時はこんな風に撮ってみたいという気持ちが沸いたということでしょうか。 2017/02/28 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 これはスポット的に斜めから光が入ったのを狙って撮影しました。 光の当たった部分と当たらない部分の対比の面白さですね。 そして画面以外の部分の情景も浮かび上がってきます。 光がどんな風に差し込んできたか想像させます。 写真は光の芸術とも言われますが 逆光で撮ったり順光で撮ったり朝や夕方の光で撮ったり 木漏れ日で撮ったり光の状況によって随分違った写真になります。 そこが面白いところです。 そしてそれを意識しながら撮影してみると 楽しさも膨らみます。 2017/02/28 Canon5DⅡ Canon EF70-200㎜ F4 これもスポット的に光が差し込むのを狙って撮影した一枚です。 日が差し込んでいないと平凡な写真になったと思いますが 光と影の陰影ができることによって躍動感のある写真になったのではないでしょうか。 2017/02/28 NikonD810 SIGMA 50㎜マクロ F2.8 最後は主役を引き立てるように意識して撮った一枚です。 主役は言うまでもなくわかりますよね。 他の花は全て脇役です。 主役以外にピントを合わせたのは右下の花。 花の撮影では一つの花だけのピント合わせだけで見せるのはなかなか難しいものがあります。 もちろんケースバイケースで一概には言えませんが、 2輪に合わせると落ち着きが生まれ安心して見られる写真になります。 これはそれを意識して撮影しています。 注目しているのは真ん中の花であっても、そっと脇役的に他の花にもピントを合わせておくといいと思います。 後はボケてもらった方が主役が生きます。 セツブンソウを楽しむとしてコメントしてきましたが 撮影を通じてこんな風に私は楽しんでいるという紹介でした。 自分なりに楽しめる自分のスタイルがあるといいですね。 |