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秋めく八島湿原に咲く花  撮影地 八島湿原 撮影日 2015/08/31

今年八島湿原を訪れたのは3度目。
最初は7月下旬、二度目は8月上旬、そして今回の8月下旬。
夏の花から秋の花へと移り行く様子を見届けることができたのはなかなか面白かった。
盛夏に花盛りだったヤナギランやシシウドはすっかり実になり、
変わってアキノキリンソウやハンゴンソウなどの黄色い花が目立つようになっていた。
春の黄色は踊り弾けるような黄色だが、秋の黄色は落ち着きのあるどっしりとした黄色。
少しずつ枯れ行く草叢の中に咲く野草たちの彩は春とは違う穏やかさを感じた。



ハンゴンソウ 1
湿原と言っても全てが湿地になっているわけではない。
ハンゴンソウや樹木が生えるところは乾燥化が進んでいる場所。
遠くに群生するハンゴウソウを切り取りながら、八島湿原の将来のことをちらっと考えたりもした。



ハンゴンソウ 2
ハンゴンソウとススキが絡むとすっかり秋の風景。
もう半月もすればススキの穂が白く輝き出すことだろう。



サラシナショウマ
秋めく頃に咲くサラシナショウマは大きな野草だが、郷愁を感じさせる花。
ブラシのような花がとてもユニークだ。



ツクバトリカブト 1
秋めく花の代表格がトリカブト。
草原の中から紫色の花を付き出して、大きく自己主張している。
猛毒であることは誰もが知るところだが、そんなことを忘れて接近したくなる大いなる魅力を秘めた野草だ。
トリカブトの見分けは大変難しく、私は判別できる目を持っていない。
霧ヶ峰周辺に咲くトリカブトはツクバトリカブトが多いということでツクバトリカブトとした。



ツクバトリカブト 2
接写をしてみると魅惑的な姿が一層はっきりしてくる。
なぜ毒を持つようになったか聞いてみたい!美味しく食べられる野草もいっぱいあるというのに。





タムラソウ
全般的にタムラソウは終盤だったが、八島湿原にこんなに多く咲くとは思っていなかった。
一週間前に訪れていたら壮観だったろうなと思える程の群生があちこちに見られた。
これは綺麗な花を切り取ったもの。




タムラソウとハンゴンソウ
タムラソウとハンゴンソウの色の取り合わせがいい。

こういう景色を見るだけで幸せな私。




マツムシソウ
以前、霧ヶ峰などでは草原一面にマツムシソウが咲き乱れる光景を目にしたが、
今では所々に咲く場面を見るのみ。
八島湿原はどうだったんだろうと振り返ってみるが、あまり記憶にない。
恐らく霧ヶ峰同様に咲いていたんだろうと想像する。
写真はところどころで群れていたところを切り取ったもの。
昔なら次第に目に入らなくなってきたものが、今では咲いているところに出会うと無性に嬉しくなる存在となっている。





ハバヤマボクチ
八島湿原ではオヤマボクチは見つからずハバヤマボクチばかりだった。
大きくなるものは2m近くにもなるので見上げるように撮影した。




アサマフウロ
今回の散策で一番印象に残った花がアサマフウロ。
見事なまでに群生していて驚いた。
何度かこの時期に歩いているがアサマフウロはパラパラと咲いている印象しかなかったので
目を疑うほどだった。




タチフウロ
フウロソウの仲間も種類が多く見分けるのが大変だが、
こちらは立札があったので気づいたもの。
無ければハクサンフウロの残り花くらいに思って見過ごしたかもしれない。

淡い色をしている。




アキノキリンソウ
群生するアキノキリンソウを撮影するのは久しぶりだった。
確か鉢伏山で撮影したと記憶している。そう言えば今の鉢伏山はどうなっているんだろう?
もうかれこれ15年くらい出かけていないが。
やっぱり群生風景はいいね。爽快な気分に浸れる。




エゾリンドウ
湿原の中にはエゾリンドウがよく咲いている箇所もあったが、近くで撮影できるものがなかなかなかった。
ようやく木道沿いに咲く花を見つけて撮影。
本来ならマクロレンズで撮影するが、今回はカメラを忘れてきたこともあって
全て70-200㎜のズームレンズ1本で撮影。




ヤマドリゼンマイとイワショウブ
ワタスゲのように湿原を白くしているのは、全てイワショウブ。
ほぼ均一に咲くんですねえ。




イワショウブ
別の場所から撮影したイワショウブ。面白い!
草紅葉になるのももうすぐ。





ベンケイソウ
私が初めてベンケイソウを見たのも八島湿原だった。
もう20年以上前のことだろうか。
大きいものは高さ70~80㎝にもなるので見ごたえがある。





ウド 1
八島湿原にはウドが大変多い。
ウドを見る度にご馳走に見えてしまうのはその美味しさを知っているから。
特に山で採れるウドは香りも豊かでうまい!
もちろんこういう場所で採ることはありませんからご安心を。
ウドは実を付け枯れ行く時が一番いい。
こんな場面に出会えるとトキメキを覚える。




ウド 2
花とは違う果実の美しさ。




クサフジ
ヒメジョオンの中に咲くクサフジも秋らしいシチュエーション。




トネアザミ
アザミの仲間は初夏から夏にかけて咲くものが多いが、
秋めいてきた頃に見るアザミがいいというか好き。




ゴマナ
秋は野菊のシーズン。
ゴマナはどこでもよく見られるが、大柄のわりに小さくて繊細な花が好き。




シラヤマギク
全体に固い印象を受けるシラヤマギク。
茎や側枝が真っ直ぐだからだろうか?




マルバハギ
花のピークを過ぎていたため綺麗な花がなかなか見つからなかったマルバハギ。
何か一枚記録をしておきたいと思って写した一枚。




ノダケ
積極的に撮りたくなる場面でなくても湿原という環境が撮らせることもある。
背景の池塘がこのノダケを撮らせてくれた。




イヌゴマ
シソ科の花は何かと味わい深い。
極めて華やかでもないし、かと言って地味でもない。
小さな花が集まってそれぞれの姿を形作っている。
イヌゴマはひっそりと草叢に咲いているものが多い。
それでも見つけると光り輝く存在となる。
そのさりげない佇まいに惹かれるのかもしれないね。




ヤマハッカ
私にとっては秋を代表する野草の一つ。
枝があちこちに伸びるため撮影しにくい花だが、色合いと佇まいがなんとも魅力的である。
これもシソ科だった。





ワレモコウ
花らしくないけれど秋を代表する野草の一つ。
風情のある野草だ。
一つ一つの花を見るとはっとするほど美しいものもあるが、全体で見るとぱっとしないことも多い。
八島湿原にはワレモコウが大変多く
群生している所も少なくない。
見つける度に撮影してみるがワレモコウの色合いを出しながら撮影するのはなかなか難しい。
そんな中で見つけたこのワレモコウは、他のものより明らかに紅く綺麗な色をしていた。
どこをどのように撮影していいか悩むところだったが
紅く綺麗なところにピントを合わせて撮影してみたら、思ったよりいい感じに撮影できた。




キンミズヒキ
秋ですねえと思わず話しかけたくなるキンミズヒキの花。
道端や草叢に咲いているのを見つけると、なんだかほっとしたようなそんな気持ちが巡ってくる。
夏の暑さからようやく解放された思いがそこにあるのかもしれない。




もう少しで秋色に染まる八島湿原
草紅葉が見頃になるのは9月下旬頃だろうか。
その頃にもう一度来れれば嬉しいが。

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